漢方を使った不妊治療とは
中国発祥の歴史ある医学です
漢方とは、中国発祥の歴史ある医学で、1000年以上も前に日本に伝えられました。
西宮北口駅の李漢方内科・外科クリニックでは、この漢方を使った不妊治療に力を入れて取り組んでいます。
実は「漢方」という言葉を使っているのは日本だけで、中国では「中医学(中国漢方)」と呼ばれています。
どちらも中国の伝統医学にルーツがある点は同じですが、使用する漢方薬の種類の数や、処方に至るまでの診断の過程などで大きな違いがあります。
日本漢方と中医学について
日本漢方の場合、主に3種類の漢方薬の中から選んで処方することが多いのですが、中医学の場合、もっと豊富な種類の中から患者様の状態に合わせて選ぶことになります。
わかりやすく言うと、日本漢方は「患者様が薬に合わせる」といったイメージですが、中医学は「患者様に合わせて薬を選択する」といったイメージでお考え頂ければと思います。
漢方薬の種類について
漢方薬の種類は、大きく分けて「生薬・煎じ薬」と「エキス製剤」の2種類があります。
どちらも原材料に生薬を使用し、それを混合したものです。
ですが、生薬・煎じ薬の方が原材料に近く、コーヒーで例えるなら「豆をひいて淹れたコーヒー」と言うことができます。
一方エキス製剤は、患者様お一人おひとりの状態に合わせてきめ細かく調整することは難しいため、生薬・煎じ薬と比べるとどうしても効果は劣ってしまい、同様にコーヒーで例えるなら「インスタントコーヒー」と言うことができます。
ただし、エキス製剤に効果がないというわけではありません。
ご年齢が若い方などには一定の効果が期待できますし、「保険が適用される」「生薬・煎じ薬よりも服用しやすい」などのメリットがあります。
どちらか一方を選ばなければいけないというものではなく、併用することもできます。
生薬・煎じ薬
- 患者様お一人おひとりの状態に合わせて最適な量・種類を吟味して処方できるため、高い効果が期待できる
- 苦みがあり、服用するのに少し手間がかかる
- 保険適用外
エキス製剤
- 患者様お一人おひとりの状態に合わせてきめ細かく調整することは難しいため、生薬・煎じ薬と比べるとどうしても効果は劣ってしまう
- 生薬・煎じ薬よりも服用しやすい
- 保険適用
漢方を使った不妊治療
中医学の弁証論治・弁病論治を合わせて処方します
西宮北口駅の李漢方内科・外科クリニックでは、中医学の弁証論治・弁病論治を合わせて漢方薬を処方することで、不妊症でお悩みの方々の力となります。
中国漢方だけでなく、エキス製剤や日本漢方も取り入れて、お一人おひとりに最適なものを処方します。
ただし、これまで当クリニックが不妊治療に携わってきて感じたことは、患者様お一人おひとりの状態に合わせて最適な量・種類を吟味して処方できる、生薬・煎じ薬の効果の高さです。
その方にぴったり合う生薬・煎じ薬を処方して治療を続けることで、妊娠率を高めることができると考えています。
弁証論治(べんしょうろんち)
中医学では診断することを「証を立てる」と言います。
望診、聞診、問診、切診という4つの診断方法(四診)で体全体を観察して、適切な診断と処方内容を導き出します。
弁病論治(べんびょうろんち)
これまでに患者様がどんな治療を受けてきたのかを鑑みて、弁証を立てるための資料とします。
漢方を使った不妊治療の流れ
1. ご予約
まずはお電話などでご予約をお取りください。
当クリニックは予約優先制となっております。
2. カウンセリング
不妊症についてまわりに相談できない方もおられるかと思いますので、そういう方々のお話に親身に耳を傾けて、少しでもリラックスして頂けるようなカウンセリングを心がけています。
毎日の食事などの生活習慣や、ストレスなどについても詳しくおうかがいします。
3. 診断
望診、聞診、問診、切診という4つの診断方法(四診)で体全体を観察して、適切な診断と処方内容を導き出します。
望診
顔色や姿勢、舌の状態(舌診)、分泌物・排泄物などの状態を目で見て確認します。
聞診
声調や呼吸の音を聞いたり、排泄物・分泌物のにおいなどを確認したりします。
問診
毎日の生活習慣や生活環境のほか、これまでどんな治療を受けてきたのかなどを詳しくおうかがいします。
切診
脈拍を確認するほか、お体の一部に触れて温度や乾潤などを観察します。
4. 処方
診断結果をもとに、患者様に最適な漢方薬を処方します。
これまでに西洋医学による治療を受けて来られた方などは、そのデータも参考にします。
漢方薬は基本的に毎日服用して頂きますが、胃腸が弱い方などには、「6日服用して、1日休薬する」などの指導を行わせて頂いています。
また、生理中には服用してはいけないものもありますので、その場合もきちんとお伝えさせて頂きます。
5. 薬の調整
人間の体というものは常に変化しており、季節によっても状態は異なります。
そのため、当クリニックでは「一度処方したら、ずっと同じ漢方薬を使ってもらう」ということはせずに、定期的に患者様のお体の状態を確認して、適宜、漢方薬を調整するようにしています。
6. 鍼灸治療の併用
必要に応じて、患者様に鍼灸治療の併用をおすすめしています。
鍼灸治療は、当クリニックの向かいにある「趙中医鍼灸院」で受けて頂けます。
なお、当クリニックの院長と、趙中医鍼灸院の院長は夫婦ですので、スムーズに連携をはかることができます。
治療期間の目安
焦らずゆっくりと治療を進めていきましょう
患者様の状態によっても異なるため、一概に言うことはできませんが、少なくとも半年程度はみて頂く必要があると言えます。
患者様によっては、1年程度かかる方もおられます。
不妊症でお悩みの方の中には、「すぐに妊娠したい」「3ヶ月で妊娠したい」などと焦るあまり、かえってご自身にストレスを与えてしまっている方もおられます。
こうしたストレスは妊娠に対して良い影響をおよぼしませんし、お体にも良くないと言えます。
焦るお気持ちはわかりますが、そうした心を和ませつつ、妊娠に向けてゆっくりと治療を進めていければと思います。
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